はじめに
ハローワークや人材紹介会社には、履歴書・職務経歴書の添削サービスがあります。コンサルタントを目指すレベル観であれば、ハローワークの添削は役に立ちませんので受けない方がいいですが、人材紹介会社の添削はある程度効果があるのもあります。しかし、どんなに頑張っても応募書類にはキャリアの限界があります。ここでは、筆者の実体験を基に、現実的に転職することに重きをおいて、履歴書・職務経歴書の限界を超えていくことについてお話します。
求人に見合ったキャリア
筆者は、経営コンサルタントになることが目標で、そのような働きができる求人に応募してきました。しかし、残念なことにそのほとんどが見送られてしまいました。ただ、一つ運が良かったのは、人材紹介会社を通じて応募したものばかりでしたので、見送りの理由について知ることができた点です。先方の回答によると「ポテンシャルは十分だが、今までのキャリアが求人の職種と違うから見送った。」という理由ばかりでした。ちなみに筆者は、新卒で入社した会社で、全く希望していなかったIT職に配属された経緯があります。その後、経営コンサルタントとしてのキャリアを歩むために、会社を辞め、資格を取り、自費で学校へ通い、更に個人で経営コンサルティングのサービスを始め、知識と実績を積み重ねていきました。そして、万を時してコンサルティング会社の求人に応募したわけですが、残念ながら、これらの経営コンサルタントになるための自助努力は全く評価されませんでした。厳しい見方をすれば、こういった活動も個人レベルの活動の域を脱していなかったわけです。株式会社の中でプロジェクトを組んで活動してきたコンサルタントに比べれば、キャリアが見劣りすることは否めません。求人に見合ったキャリアがなければ、応募書類をどんなにいいものに仕上げても結果が伴わないことを、まざまざと感じさせられました。
恨んでも仕方ない
筆者は結局、新卒で入社した会社での心無い配属によって、約7年間、IT職の中で彷徨うことになりました。正直なところ、最初の3〜4年は「ふざけるな!」という気持ちでいっぱいでした。実際、大学で学んだことが、全く無駄になってしまったので、学費を納めてくださった両親に合わせる顔がありませんでした。その反動から、本来望んでいる道に進むために、経営のこと、会計のこと、業務のこと、一生懸命勉強しました。昼休みも食事も摂らずに勉強しました。しかし、それでも先に書いたとおり、転職は見送られ続けてきたわけです。しかし、5〜7年目は、少し心境に変化が起こりました。それは、今いる環境を精一杯利用してやろうという考えです。そのように考え始めてから、少しずつ道が開けてきました。
キャリアは変わらないので利用する
経営コンサルタントになりたい思いは、IT職の7年間、一切変わりませんでした。その思いの上に立ち、IT職として、経営や会計、業務系の分野の助言ができる立場に進出していきました。当然、今までの勉強の甲斐があり、それぞれの専門家と対等に渡り合うことができました。そして、その時の実績を持って、晴れてビジネスコンサル会社へ転職、経営コンサルタントになることができました。
まとめ
世の中には自分の力ではどうにもならないような大きな力が自分に作用することがあります。転職において、この不可抗力と闘うことは、エネルギーの消耗でしかありません。重要なことはこの不可抗力を利用して、行きたい方向へ舵を向けることです。今、生きているこの1秒1秒も、キャリアは形成され続けています。例え、それがあなたが目指しているものでなくてもキャリアは形成されているのです。この事実をなるべく早く受け入れて、本当にあなたがやりたい方向へ進むためにはどうすればいいのか、計略的に考えることが現実的に転職する一番の方法です。