はじめに
ERP導入に携わるコンサルタントをERPコンサルタントと呼びます。筆者自身もERP導入に携わってきましたが、この働きをコンサルティングと読んでいいのか疑問を持っていました。ここでは、ERPコンサルタントが本当の意味でのコンサルタントと呼べるのかということについてお話します。
コンサルタントかは内容次第
結論を書きますと、ERPコンサルタントをコンサルタントと呼ぶにふさわしいかどうかは、業務内容によります。単純に導入したいという要望に沿って、ERPを利用できるようにするのはシステムエンジニアです。しかし、ERPを利用して業務を改革しようとするのであればコンサルタントです。
医師と薬剤師
少し視点を変えますが、コンサルタントを医師、システムエンジニアを薬剤師と考えるとわかりやすいかもしれません。医師は薬学的知識を持ちつつ、患者にとって最適な診察を施します。一方、薬剤師は処方せん情報を元に、患者に必要な薬を提供します。ERPコンサルタントもERPの仕組みを知った上で、企業の業務改革に貢献します。システムエンジニアは、ERPコンサルタントの構想を実現する役割を担います。
コンサルタントの基準
結局、お客様と面と向き合って、業務改革できればコンサルタントです。誰かの指図に従って、テーブル定義を作ったり、システムテストを行うのはシステムエンジニアの範疇です。例え、コンサルティングファームに勤めていようと、有名SIerに勤めていようと、あるいは名刺にコンサルタントと書いてあろうと、それはシステムエンジニアなのです。
まとめ
ERPコンサルタントは、多くの場合、システムエンジニア的な働きをします。コンサルタントを目指し、ERPを担当することになった方の多くは、自分の働きに幻滅します。もし、あなたがそのような感情を抱いているようでしたら、少し割り切ったほうがいいでしょう。なぜなら、本流のコンサルティングができるチャンスも近くにあるからです。そして、飛躍のチャンスが来た時に、ジャンプできるように力を蓄えてください。