独立・起業

個人事業主の自分の給料の仕訳の仕方(青色申告)

はじめに

個人事業主自身の給料は、「事業主貸」勘定に貯め込んでいって、決算のときに「元入金」勘定から差し引きます。ここでは、個人事業主の自分の給料の仕訳の仕方について、青色申告をベースにお話します。

毎月の生活費の金額を「事業主貸」勘定に

毎月10万円ずつ、生活費として銀行口座から引き出すと以下のようになります。


 1月 事業主貸 10万円 | 預金 10万円

 2月 事業主貸 10万円 | 預金 10万円

 3月 事業主貸 10万円 | 預金 10万円

・・・(以下、同様)

12月 事業主貸 10万円 | 預金 10万円


上記のように、個人事業主の生活費として通年で120万円引き出すと、その金額は全て事業主貸という勘定科目に貯まります。この時点では、事業主貸というのはあくまで貸しているお金、つまり返ってくるものと便宜上解釈します。しかし実際は返ってきませんので、貸したお金が踏み倒されたものとして解釈し、決算時に仕訳処理を行います。

決算時に「元入金」勘定から「事業主貸」分を引く

貸したお金(事業主貸)が踏み倒されたものとして、120万円を軍資金から差し引きます。個人事業において、軍資金は「元入金」という勘定科目です。仕訳は以下のとおりです。


 決算 元入金  120万円 | 事業主貸 120万円


このように、生活費などのプライベートで利用したお金はきちんと決算の際に清算されます。また、事業主勘定は必ず毎年残高を0にする必要がありますので、貸借対照表に生活費が借金として残っていくことはありません。

事業にかかる税金とプライベートにかかる税金

「個人事業主には給料という概念がない」とか「個人事業主の給料は決算が終わったあとの利益だ」などと、誤解を招くような情報をインターネットで見かけることがあります。言いたいことはわかるのですが、あまり正確ではありません。重要なことは事業にかかる税金とプライベートにかかる税金の仕組みが違うということです。事業主貸という勘定科目を利用するのはプライベートの経費をきちんとわけるためです。なので、正確な言葉で整理しますと、個人事業主自身の給料は、事業主貸勘定で計上していき、1年分をまとめて決算時に清算するということになります。

まとめ

個人事業主自身の給料は、事業主貸勘定で計上し、決算時に元入金で相殺します。事業主勘定は必ず毎年0にリセットされます。会計ソフトで対応できますので、安心して給料・生活費を引き出してください。

個人事業主自身の給料は、事業主貸勘定で計上して、決算時に元入金で相殺する。
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コンサル白書
現役の経営コンサルタント(中小企業診断士)として2010年に独立しました。診断士試験は、独学でE判定から1週間で合格しました。
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