はじめに
ERPは「企業資源計画」とWikipediaでは紹介されていますが、この解釈は経験者以外はちょっとわかりづらいと筆者は思います。ここでは、ERPとは何か、少し噛み砕いた形で説明します。
ERPとは「経営資源のデータをまるっと管理すること」
経営資源とは、経営に必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」のことです。人の情報、商品・サービスの情報、お金の情報などを、まるっと管理しようというものが、ERPです。ERPが出来る前は、お金ならお金、物品なら物品と、別々に管理するのが普通でした。ただ、ビジネスの仕組みを考えてみると、お金の動きの裏側で、物やサービス、あるいは人が動いているわけです。なので、こういったものをまるっとまとめて管理しようというのがERPです。
ERPとERPシステム
ERPをシステムで実現しようというのがERPシステムですが、ERPと言えば、ERPシステムを指します。なので、ERPはWikipedia上の「計画」ではなく「システム」として捉えた方がしっくりきます。なので、改めてERPを言い直しますと、経営に必要なヒト・モノ・カネの情報を、データでまるっと管理するシステムということになります。
会社の仕組みとERP
ここまでは、一般的な知識レベルのお話です。ここからは、コンサルタントとして知っておくべき知識です。ERPを理解するためには、会社の仕組みを知る必要があります。以下に模式図を示します。
会社には、お金の動き(商流)とモノ・サービスの動き(物流)があります。そして、会計モジュール、購買モジュールという言葉は、これらの会社機能と一体となっているわけです。コンサル会社では、各モジュールの機能を覚えていくわけですが、この前提を知っているのと知らないのでは、アウトプットの質が全然違ってきます。ERPを扱う際は、今一度この絵を思い浮かべて頂ければと思います。
まとめ
知っている人は知っている、知らない人は全く知らない、大企業にとって必要なシステムの代表格がERPです。もし業務でERPを扱うようでしたら、企業資源計画などという薄っぺらい理解ではなく、会社の仕組みを支えるシステムという理解をして頂ければと思います。