コラム

過剰品質に気をつけよう

はじめに

一般的にコンサルタントは、仕事の質の高さを求められます。しかし、筆者の観点からすれば、それが必ずしも顧客満足に働かないような場合もあります。ここでは、コンサルタントとして過剰品質に気をつけることについてお話します。

1ピクセルの鬼

この話は、ある人材紹介会社の方から聞いた、某大手コンサルティングファームのお話です。あるコンサルタントが、プロジェクトの資料をパワーポイントで作り、印刷して上司に提出しました。しかしその上司は、その資料をビリビリに破き、そのコンサルタントの頭から振りかけられたそうです。資料の出来が余りにもひどかったというわけではなく、図表が1ピクセルずれていたというのがその資料を破いた理由です。(この逸話の
信憑性は疑わしいですが、図表のわずかなズレを指摘される慣習は実際にあります。)

顧客満足につながる努力か?

上記は、過剰品質の典型的なケースです。そもそも、顧客は1ピクセルのズレよりも、コンサルティングの内容に興味を持っています。顧客がよっぽどの完璧主義者でなければ、資料の作り直しはするべきでないでしょう。まして、上司の対応はコンサルタントとしてあるまじき行為です。この対応についても過剰品質と言えるでしょう。

過剰品質に陥らないために

コンサルティングを行った経験のある方は、1つの提案を行うために付随する何十、何百の現象について、深い洞察をかけていく経験をしたことがあると思います。この部分においては、絶対に大丈夫と思えるレベルまで品質をあげる必要があるでしょう。しかし、それ以外の部分、資料づくりやプレゼンテーション、コミュニケーション等については、ある程度の質が確保できるレベルでとどめておくべきです。必要以上に時間をかけることは、収益性の観点から好ましくありません。

まとめ

コンサルタントの仕事は質の高さが生命線ですので、過剰品質になりやすい危険性が伴います。しかし、ゴールを見失った質への暴走は、収益性の観点からもいいことではありません。ぜひ、程よい品質での対応を心がけてください。

過剰品質は目的を見失った証拠。
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コンサル白書
現役の経営コンサルタント(中小企業診断士)として2010年に独立しました。診断士試験は、独学でE判定から1週間で合格しました。
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