はじめに
中小企業診断士の学習の中で、おそらく一番関心がある方が多いのが「企業経営理論」だと筆者は思います。確かに「企業経営理論」の教科書を読み進めてみると面白いのですが、「おや?」と思うことがあります。それは「企業経営理論」って一体何なのかという素朴な疑問です。ここでは「企業経営理論」の考え方についてお話します。
財務会計はお金の話、経営法務は法律の話、では企業経営理論は?
筆者が初めて企業経営理論を読んだとき、一体何をマスターするのがゴールなのか全くわかりませんでした。教科書にもよると思いますが、最初は経営理念、戦略等について学び、次にモチベーションとか労働関係の法律がでてきて、最後に販売に関する話題が出てきます。もっと言えば、運営管理の中にも店舗での販売管理の話が出てきますし、労働法規は経営法務にあたらないのか、さっぱりわかりませんでした。この謎は、経営コンサルタントになってから解けました。一言申し上げれば、経営コンサルティングを実践的に考えるためには、企業経営理論はやや不自然なまとめ方になっています。
マネジメント、組織、マーケティング
企業経営理論は、マネジメント理論、組織理論、マーケティング理論の3部構成になっています。経営コンサルティングの立場というよりも、試験上の分類として考えた方が的確です。で、企業経営理論という表題に相応しい科目は、マネジメント理論だけです。確かに会社は人ですし、マーケティングは経営に近いという見解もありますが、これらは経営(management)とはテーマが違うと考えるべきでしょう。
企業経営理論のゴール
中小企業診断士試験対策としての企業経営理論のゴールは、マネジメント理論、組織論、マーケティング理論の3分野をきちんと理解することです。そして、それらを混同して理解してはいけません。マズローの欲求段階説とPPMとコンティジェンシープランは、別々の知識の箱に入れましょう。
まとめ
企業経営理論は、マネジメント理論、組織論、マーケティング理論が1つの試験科目となった科目です。科目名に惑わされず、3分野の領域をきちんと把握して学習するのがお勧めです。