はじめに
厚生労働省の賃金基本構造統計調査によれば、社会保険労務士の平均年収は約550万円です。しかし、毎年変動が激しいのも実情です。ここでは、社会保険労務士の年収についてお話します。
500~700万円くらいで推移
以下のグラフは、年度別の年収推計です。
このグラフを見ると年度単位で年収が非常に上下していることがわかります。なので、年収が550万円というのはあくまで平均値であって、社会背景のニーズにリンクして、給与が上下する職業と考えるのが適切です。また、社会保険労務士も個人差があり、全然稼げない人から1,000万円を超える年収を稼ぐ方もいます。
社会保険労務士で高収入を得るためには?
社会保険労務士として高収入を得るためには、3つのポイントがあります。1つめは、助成金等の多額の資金が動く業務を行うことです。あまり詳しくはかけませんが、1回2万円の事務手続きをコツコツやるよりも、成功すれば100万円手に入る仕事をやったほうが、圧倒的に稼げます。2つめは、長く続けることです。社会保険労務士は飽和状態です。なので、1年目から100万円稼ぐことは普通できません。なので、社会保険労務士は辞める人が大変多いです。最低、10年は続けましょう。3つめは、資格を無理に活かそうと考えないことです。コンサルタントとして、会社、特に中小企業に有利な金策ができれば、あなたも十分な対価を得ることができます。社会保険労務士の資格は、そのきっかけとして利用するくらいがいいです。
社会保険労務士の年収が高い理由
年収の上下幅はありますが、それでも550万円というのは一般的に年収は十分に高いレベルです。ここでは社会保険労務士の年収が高い理由について、データを深読みしていきます。
低所得者は排除される
社会保険労務士になると、維持のために年間約10万円くらいかかります。結局、稼げないと、この維持費が重しになります。かけだしの社会保険労務士さんにとっては結構な金額です。ビジネスセンスがないと、社会保険労務士の資格を維持することができず、ドロップアウトする仕組みになっていますので、必然的に残っている社会保険労務士さんは、ある程度収入がある方に限定されます。このあたりの事情は、中小企業診断士とは違っています。
法律家としては勝負できない
社会保険労務士は、社会保険と労働に関する法律家です。しかし、法律家には弁護士、司法書士、行政書士もいますので、法律家として機能することはなかなか難しいです。最近は、特定社会保険労務士という資格もでき、労働関係の法律に関係することもありますが、基本的には人事・労務系に強いコンサルタントとしての稼ぎだと考えるべきでしょう。コンサルタントとしての年収でしたら、結構妥当だと思います。
まとめ
社会保険労務士の年収の平均は約550万円です。しかし、年度差、個人差は激しく高収入を得るためには、コンサルティングを行えなければなりません。高収入のからくりは、社会保険労務士の範疇を超えたコンサルティングの部分にあります。