コラム

コンサルタントの種類

コンサルタントには、経営コンサルタント、ビジネスコンサルタント、ITコンサルタントなど様々な種類があります。ここではよく出てくるコンサルタントの種類について、どのような役割で何をするのかを紹介します。
ポイント
  • ビジネス・経営コンサルタントは総合的
  • 業務系コンサルタントは専門的
  • キャリアパスを考えるときに重要

ビジネスの流れを知る

コンサルタントの種類を紹介するために、まずビジネスの流れを紹介します。以下の模式図をご覧下さい。

企業経営は、戦略を練り、戦術を業務に落とし込むことで運営しています。特に今日は、業務においてITを活用するケースが多くなってきています。また、これらのシステムを成り立たせるために、ヒト、モノ、カネ、環境を整えています。これらの関連性を表したのが上図になります。コンサルタントはこの各機能のどこを担当するかによって、「戦略コンサルタント」と呼ばれたり「ITコンサルタント」と呼ばれたりします。

A.経営系のコンサルタント

経営コンサルタント

企業経営全般を統括するコンサルタントです。各分野の専門家と協力しながら業務を進めます。コンサルタントをたくさん活用することが難しい中小企業において多い形態です。

B.戦略系のコンサルタント

戦略コンサルタント

企業の戦略を練るコンサルタントです。広い視野で企業内外を見通し、業務や人材、財務面で矛盾がないか細部まで検証したうえで、今後の戦略を立てます。大企業において多い形態です。

C.直接系(収益に直結する仕組み)のコンサルタント

業務コンサルタント・ビジネスコンサルタント

業務改善を行い、生産性の向上を目指すコンサルタントです。昨今はパッケージソフトを導入して業務改善を実施するケースが多いため、ITコンサルタントと二人三脚で業務を行うことが多いです。ビジコンと呼ばれます。

ITコンサルタント

業務上の課題をITで解決するコンサルタントです。ITに関する造詣が深いことはもちろん、業務上の課題の理解も求められます。SIerが幅を利かせている部分でもあります。

アプリケーションコンサルタント

業務系のパッケージソフトを利用して、業務改善を行うコンサルタントです。パッケージソフトの知識が必要なコンサルタントです。ERP、SCM、CRMなどで利用される呼称です。

テクニカルコンサルタント

業務系のソフトの改造を行うコンサルタントです。IT、パッケージソフトの知識が必要です。

D.間接系(事業を支える仕組み)のコンサルタント

人事コンサルタント

キャリア・採用・モチベーション等、組織を如何に活性化するかを専門にしているコンサルタントです。人事は「会社対組織全体」の統制を駆けていく分野です。

労務コンサルタント

就業規則、労働手続き等のコンサルタントです。人事との違いは「会社対個人」である点です。人事コンサルタントと違い、労働関連の法律に関して見識がなければ務まりません。

財務コンサルタント

資金繰り、資産計画等、事業を動かすための資金に関するコンサルティングを行います。但し、この分野は銀行の業務範囲になってくるかもしれません。

税務コンサルタント

税金体系が複雑化している日本ならではのコンサルタントです。税務当局とのイメージの違いを払拭して、企業活動にマイナスにならないように働きかけます。税理士の業務範囲です。

まとめ

コンサルタントと一口にいっても様々な種類があります。ここで重要なのは、コンサルティングファームに就職するときに、経営コンサルタントを目指しているのにも関わらず、ITコンサルタントの組織に配属になってしまうようなケースが、現状として多々あるということです。また、コンサルタントという名前のもと、SEと同様の働きをするなどのケースもあります。特にキャリアパスを描くときに、コンサルタントの種類を明確に知っておくことが重要です。

コンサルタントの種類は多様。特にキャリアパスを描くときに大事に考える。
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コンサル白書
現役の経営コンサルタント(中小企業診断士)として2010年に独立しました。診断士試験は、独学でE判定から1週間で合格しました。
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