はじめに
リーダーは、将来像を示し、組織をまとめ、行動の意思決定していくことが仕事です。この意思決定の部分について、古典的な意思決定論から現代的な意思決定論までお話していきます。
古典的意思決定論
規範的意思決定
19世紀のフランスの実業家ファヨール氏などが提唱した意思決定論です。考えられる全てのことを考えて、一番最適なものを選ぼうとする意思決定の方法です。このような基準を最適化基準、最適なものを選ぶであろうという全知全能の人間は経済人モデルと言われます。ファミレスにいってメニューをくまなく見てからピンポンするようなものです。
記述的意思決定
1978年にアメリカの経済学者サイモン氏などが提唱した意思決定論です。これでよいと思えるものがあればそれでよしとする意思決定の方法です。このような基準を満足化基準、先のことはよく分からないから能力の範囲内で判断しようとする人間は経営人モデルと言われます。お嫁さん
・お婿さん探しで、ややときめいた相手と出会ったときに交際を申し込むか断るかの意思決定をするようなものです。
古典的意思決定の特徴
古典的意思決定は慣習であったり、直感であったり、過去の経験であったり、人間味溢れる方法論であることが特徴です。実際の問題としては経済人モデルが成り立つ機会は限定されます。人間は限られた時間、限られた環境の中で判断を求められます。
現代的意思決定論
オペレーションズ・リサーチとも呼ばれます。コンピュータとデータを駆使し、最適解を求める意思決定論です。例えば、輸入商材の購入はいつがよいのかなど、勘、経験、度胸ではなく、客観的なデータに基づき、数理的なアプローチで意思決定をします。
人工知能
人工知能は自己進化する仕組みが宿ったとき、もしかしたら人間に危害を加えるかもしれないと考える方もいらっしゃいます。意思決定の方法として人工知能と如何に付き合っていくかについても、経営コンサルタントとしては意識しておきたいポイントです。
実務での注意点
オペレーションズ・リサーチは、データと理論が要です。コンピュータと人間には得意、不得意の領域があります。例えば、コンピュータは過去の数値化されたデータを元に、状況に規則性がある物事を意思決定する際には役立ちますが、ルールを外れると急激に精度が落ちます。一方、人間は非常に曖昧な物事をイメージして解釈することができますので、不測の事態における判断では人間の力が必要です。
まとめ
意思決定は、人間的な古典的意思決定とコンピュータを用いた現代的意思決定があります。両者にはメリット・デメリットがあり、企業の意思決定にはそれらをうまく活用していくことが重要です。