はじめに
ポジションがなかったり、能力が足りなかったり、明確な理由があったうえで、なりたい職業になれないことは仕方がないことだと思います。しかし、ポジションに空きがあり、十分な能力が備わっていることも保証されているにも関わらず、就きたい職業に就けない場合があります。ここでは、十分な適正がありながらもなりたい職業になれない理由についてお話します。
気づいてもらえない
例えば「バリ島」というとどのようなイメージが湧きますか?いろいろなイメージがあるかと思いますが、一般的に「美しいビーチ」と思われると思います。では「インドネシア」というとどうでしょうか?必ずしも「美しいビーチ」というイメージばかりではないと思います。そこでもし「美しいビーチのある国」に行きたいとした場合、インドネシアが対象になる確率はとても低くなります。
この考えを転職・就職活動に適応させてみます。もし、あなたが「美しいビーチ」にあたる有能な才能があったとしても、あなた自身があなたの知らない人からその能力を注目されることはほとんどないのです。特に、履歴書・職務経歴書はおおよその形式があります。特に、履歴書の場合は、紙面の半分以上が学歴と職歴、住所などで埋まります。このような表現方法が限られている中では、あなたの「美しいビーチ」という才能は埋もれてしまうのです。筆者自身、ある企業の会社説明会に申し込んだだけで、不採用通知が届いたことがあります。履歴書・職務経歴書を送ってもなく、今までのキャリアからも全く逸脱していなかったわけですが、何をもって判断したのかは全くもってされたのかは不明です。
わかってもらえない
応募者が天才型である場合、経営者や業界リーダーレベルでは才能を認められながらも、人事レベルでは意味不明と判断されてしまうケースがあります。このケースに陥りやすいのが技術系の人材です。仮に、青色LEDを開発された中村修二先生が、ご本人とわからないように経歴書上の個人情報を変更したうえで、就職活動をされたと仮定します。青色LEDのなかった時代に、中村先生の偉大なる可能性を信じられる人事部はいたでしょうか?仮に就職できたとしても、そのまま青色LEDの開発ができるとも限りません。「青色LEDを開発する際に培った品質管理の手法を、ぜひ海外の工場で活かしてくれ。」などと背中を押され、才能を開花させることなく工場長へのキャリアを辿ることも往々にしてあるのです。良き理解者がいない環境下ではキャリアがねじ曲がります。望んでいないキャリアも自身のキャリアになり、年齢を重ねるほど修正が効きづらくなる傾向があります。ぜひご注意ください。
代役がいない
あなたは技術職の志望があり、それを裏付ける実力も、客観的な評価もあると仮定します。しかし、あなたは新入社員のときの気まぐれな人事配属で、営業職になってしまったとします。しかし、生きるためには手を抜くことができず、結果として社内トップの営業マン/ウーマンになってしまったとします。このような状況下であなたは技術職へ転職することはできるのでしょうか?答えはほとんどの場合認められません。なぜなら、あなたが営業職を抜けると会社の売り上げが大きく傾くからです。万能で優秀な方ほど、このような苦悩に陥りやすいと思います。
打開策
十分な資質が備わっていてもなりたい職業になれない場合、起業をお勧めします。ただ、安易に会社を辞めてしまうのではなく、働きながら趣味・ボランティアの位置付けで、始めることをお勧めします。経営者のメリットは思うがままにできることです。政府も創業支援に力を入れています。このような施策をどんどん活用して、なりたい職業を自身の手で築いて頂ければと思います。
まとめ
十分な適正がありつつも、なりたい職業になれない場合、ほとんどが環境要因によるものです。周囲のしがらみに縛られて、人生を消耗してしまう前に、自分の手でなりたい職業を見出して頂ければと思います。