はじめに
経営に携わる立場として最強の組織はどのようにすれば生まれるのだろうと考えることがあります。100人の会社を作るとしたら、100人とも営業ができ、100人ともイノベーションを起こせ、100人ともリーダーの資質があり、100人とも状況を判断してフォロワーシップに回れることもできれば、最強ではないかもしれませんが、かなりいい線いくのではないかと思います。この時のキーは成長への貢献です。ここでは成長できる組織、停滞する組織の分かれ目となるポイントについてお話します。
事務職の存在意義はない
筆者は事務職の存在にはかなり否定的な考えを持っています。この世の全ての事務職の方を否定するわけではありませんが、誰かの支援をする、機械的に指定された仕事を行うという感覚の持ち主では、企業の成長への貢献に期待できません。事務職に払う給料があれば、アウトソーシングやIT化を進め、事務系業務を排除し、イノベーションを起こせる人材に給料を回したほうが成長につながります。事務職の方に華があって、イノベーション人材のモチベーションが200%アップするような状況でなければ、事務職の存在意義は基本的にはないと考えるべきだと思います。
コストと投資の違いを理解する
従業員のコスト意識は大変重要ですが、コスト意識の強制力によって、投資すべきものに投資できなくなるのでは成長の速度は鈍化します。費用と投資の違いがわかる人間ばかりではありませんし、稟議を通すことは従業員にとっては億劫な作業です。キーパーソンにはある程度の裁量を認めることも重要です。
敷居をつくる存在を排除する
能力が優れていても、その能力を伝播させなかったり、他の人の仕事を手伝わないような存在の方が仮にいたとすれば、会社の成長を阻害する要因と見なしていいと思います。このような存在は、組織のシナジーを作れず、本人の成長はあっても、会社の成長にはつながりません。とはいえ、高い能力を持っている人材は貴重です。このような人材は、能力をどんどんと開放・伝授することを奨励し、その貢献度に応じて奨励する仕組みが必要です。
まとめ
組織は一般的に先頭を突っ走る集団と、後からなんやかんやでついてくる集団に分かれます。もちろん、先頭集団が多いに越したことはありません。成長する組織には、イノベーションを育む人材、チャレンジできる環境、シナジー効果を生む仕組みが必要です。