はじめに
中小企業診断士は業務独占資格ではありません。弁護士や公認会計士のように特別な業務を行える権利が付与されるわけではありませんが、「無印」であることよりもキャリアに優位に働くことは間違いありません。ここでは、中小企業診断士の資格を取って、リベンジ転職を実現させることについてお話します。
今の生き方は心から望んだ結果か?
現在、筆者は企業で採用を担当しています。また、中小企業診断士の資格を取得してビジネスコンサルタントとして転職して活動している人間でもあります。筆者自身は新卒入社の時、入社前の約束を翻意にされ、全く望んでいなかった職業(倉庫番)になってしまった人間です。それでも屈せず、社内で実績を積み上げて、望んだ部署への異動を目指していたのですが、結局努力は報われず、やむなく退社をしたという経緯があります。新卒ではなくなり、望まないキャリアがついてしまった中で、ビジネスコンサルタントになるための方法を模索した結果、たどり着いた先にあったものが中小企業診断士でした。人生は一度きり、チャレンジしないまま逃げたくないという思い一つで、資格を取り、その後、転職を果たします。そして、今はありがたくも、経営者や経営企画担当者からご相談を頂戴するポジションに到達しています。あの時、思い切ってジャンプしてよかったと、今でも本当に思います。
中小企業診断士の資格はキャリアの漢方薬
中小企業診断士の資格は、弁護士や公認会計士の資格と異なり、取得後すぐに望んだ方向に進めるわけではありません。どちらかといえば、徐々に望んだ方向に近づいていくといったイメージです。ここは焦ってはいけないところです。重要なことは、望んだ方向に進める道が、転職の先に存在するかしないかということです。中小企業診断士は難関資格ではありますが、資格を取ることと、ビジネスにしていくことには大きな違いがあります。これは能力というよりも、慣習によるところが大きいです。コンサルティング業務は、お客様との相性が重要です。そして、現実的には、相性がマッチしない場合もあり、お客様からチェンジを要求される場合もあるわけです。実はここにリベンジ転職のチャンスがあります。チェンジを要求されるポジションは、お客様から求められるレベルが高く、ライバルが少ないことが常です。つまり、代役がいないのです。そこに、中小企業診断士の資格を持っている人間がトコトコとやってきたとすれば、時間稼ぎぐらいにだけでも、アサインされる可能性は出てくるわけです。チャンスをつかめば、後は実力次第です。
リベンジ転職のためにどのように動くか?
今までの話を少し整理しますと、大きく3つのポイントがリベンジ転職につながると考えられます。一つ目は、中小企業診断士の資格を取ることです。中小企業診断士はあらゆる分野につながります。そして試金石でもあります。あなたの夢あるいは望みの重さを、資格取得という形で証明してほしいと筆者は思います。二つ目は、望んだキャリアにつながる環境に移ること。例え、作業内容が転職前後でさほど変わらなかったとしても、3年、4年と結果を出していけば、望んだ方向に進むことができる道があれば、移る価値は十分にあります。そして、三つ目はどんな仕事でも圧倒的な信頼をつくることです。信頼をつくると、自分の業務外の相談も自然と集まるようになります。そこに、中小企業診断士の資格取得で培った圧倒的な知識量で、瞬発的に提案をするのです。すると、評判から徐々に自分の見られ方が変わってきます。そのようになってくれば、望んでない今までの延長線上にある仕事を減らし、望んでいる自分に近づいていくための仕事に自分の方向性を変えていくチャンスが生まれてきます。
まとめ
せっかくある能力を少しばかりの不運で台無しにして頂きたくないと筆者は思います。もし、あなたがリベンジ転職を本気で望むのでしたら、中小企業診断士の資格は必ず助けになると筆者は信じてやみません。社会に自分をどのようにポジショニングするべきか、見つけて頂ければ幸いに思います。