教育・学習

量産型教育に未来はあるか?

はじめに

東京大学で推薦入試が始まった昨今、量産型教育は時代錯誤の様相を呈してきました。ここ20年強、IT革命を中心にした情報社会が一気に進み、世界の真反対の状況もリアルタイムで入手できる時代に突入しています。そんな中、教育に関しては未だに偏差値教育の名残があります。ここでは量産型教育に未来があるのかをテーマにお話していきたいと思います。

人生は違う

先生に必要な資質はいくつもあると思います。そのうち、未来にどうつながるのかを魅せることができる資質は最も重要なものの一つだと思います。1つの学校、1つのクラスでまとまっている学生の皆様も、将来は点でバラバラな人生を送ります。年月を重ね、学生さんはいつか社会を支えてくれる人材となっていくわけです。学生さんが子供の時期にはなかった仕事が、大人になったらできる場合もあるわけでして、未来を自律して生きる力を養うことが本来教育に求められることだと思うわけです。しかし、残念ながらそのつながりを、文部科学省の学習指導要領に求めることはできません。なぜなら、こういったことは一人一人と向き合わなければできないからです。

社会の課題にぶつかった深い経験のある先生はいるか?

国語・数学・理科・社会・英語などの主要教科を教えることがうまい先生よりも、知識や知恵が社会問題にどうぶつかっていくのかを説明できる先生の方が現実的には有能です。しかし、大学から直接、先生の道に入ってしまうと、恐らくは教育問題以外の社会問題にぶつかる機会は限られると思います。先生こそ企業にインターンをするべきだと思います。でなければ、社会問題を表層的にしか教えることはできません。単純にパワーポイント1つ取ってみても、企業の営業プレゼンで必要なレベル感と学会発表でのレベル感は大きく異なります。そして、このような力はなるべく人生の早い段階で身につけてしまった方が有利です。未来への道筋が先生に見えなければ、教育は指導要領に乗っかるだけのとても空虚なものになると思います。

変わらない量産型教育

これから日本は人口が減っていく一方、今までになかった職業が溢れてきます。その中でも尚、偏差値が息づいているのは不自然にしか筆者は思えません。旧態依然としての教育をどこまで続けていくのか、建設的な未来を作る人材が今の教育スタイルで出てくるのかは今一度考えなければならないと思います。現実的に社会人デビューするタイミングは、10代後半から20代前半です。博士課程へ進学すると20代後半ともなってしまうわけですが、ある意味、それまではずっと個性を消してレールに乗っていかなければ、社会に淘汰されてしまいます。そしてこの閉塞された期間は、随分と長いように思います。上からの蓋がない業界はスクスクと成長している現実に私たちはもっと直視すべきだと思います。

まとめ

量産型教育は過去の経済の急成長を支える原動力でした。しかし今はもうその時代は終わり、成熟した社会の中でいろいろと派生した社会問題を解決していく世の中になっています。教育も社会にベクトルを合わせ変容していかなければ、資源のない国である日本の未来を支える舵取りは難しくなってくると感じています。

今後、誰が必要なのかを考える。
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コンサル白書
現役の経営コンサルタント(中小企業診断士)として2010年に独立しました。診断士試験は、独学でE判定から1週間で合格しました。
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