教育・学習

学校で教わっても社会で役に立たないこと

はじめに

将来、何が起こるかわかりませんので、様々なことを勉強することはとても大切です。様々なことへの挑戦は、人生に豊富な選択肢を与えます。しかし、一方で、社会に出てみてこれは明らかに役に立たない、むしろ害だと思える教育が学校で平然と行われている部分もあるように思います。ここでは、学校で教わっても社会で役に立たないことについてお話していきます。

国語

解答のある長文読解

「本文の中で作者が主張していることは何か、最も適切なものを次の選択肢から選びなさい。」といった問題を目にすることがあります。でも、よく考えてみますと、作者は読者が理解できるように文章を提供すべきものですし、読者は文章を読んで自由に解釈するべきものです。例えば、あなたが男性だとして、素敵なお姉さんにお酒を奢ったとします。そして、お姉さんが「大好き〜」といってあなたをギュッと抱きしめたとします。一般的にこの「大好き〜」は社交辞令と解釈されるべきですが、もしかしたら、このお姉さんが実はとても純真な女性で、普段から秘めていたあなたへの思いを、お酒の力を借りて、清水の舞台から飛び降りるつもりでぶつけた可能性もあるかもしれません。結局、社会では可能な限りの複数解釈をして、その後、解釈を選定したり、修正したりしていくわけです。解答のある長文読解は、問題作成者のエゴのかたまりです。特に解答率が低い設問は、出題者のほうに非があると筆者は思います。

古文・漢文の文法論

故事や古典は、人生の教訓となる教えや面白い物語、時代背景の描写など、学ぶ意義があるものです。しかし、古典・漢文の単語や文法は、現代社会ではあまり覚える必要のないことです。受験勉強のためだけに「ありをりはべりいまそかり」の丸暗記をすることなどは愚の骨頂です。古典や漢文は大学の日本語専攻の学科に回したほうがいいと筆者は考えています。特に、漢文は現代中国語を学んだほうが、よっぽど役に立つ可能性があると思います。

英語

海外で使えない英語

学校教育で最も問題なのは英語です。海外で使えません。北欧に旅行するとびっくりしますが、北欧の方はノンネイティブでありながら、英語はペラペラです。言語の近さだけが問題だとは思えません。例えば、”Don’t mind.”ではなく、”It’s no biggie.”、”How do you do?”ではなく、”Great to see you.”、”Why?”ではなく、”Why that?”など、日本では通用する英語が海外では通じないという珍現象が起こっています。もし、あなたが大学まで受験英語しか学ぶ機会がなかったら、それ以降は1からやり直すくらいの覚悟が必要だと筆者は思います。

数学

覚える価値がわからない理論

数学は生きていく上で必要な理論です。小学校の算数くらいであれば、使い道の見当もつきやすいと思いますが、中学校や高校に入ると何のために学ぶのかがわからないものが多いと思います。これでは身につきません。しかし、数学は、例えば、関数はプログラミングをする際にたくさん出てきますし、空間図形は機械や建築などの3D-CADの設計に、複素数は電気回路に、線形代数はCGに、微分積分は空調設備に、確率は傷病発症率の計算になど、使い道は山ほどあります。このような現状とその先の可能性を示すことがまずは必要だと筆者は思います。数学の難問を解くことに焦点が当たっているのでは数学マニアを養成しているだけにしか過ぎないと思います。

理科

実用方法が見えない理論

理科は将来的に役に立つものが詰まった教科です。しかし、実態がわからないと役立ちません。例えば、シュウ酸という物質、この名前だけではなかなかピンときません。そこで、ほうれん草に含まれる苦みやえぐみであったり、過剰摂取が尿路結石の原因と考えられているという補足をすると、シュウ酸の学習がたちまち役に立つ勉強へと進化するわけです。例えば、調理師や栄養管理師を目指す方であれば、どのようにシュウ酸を取り除けばいいのかなどを考えられるようになるわけです。他にもボイルシャルルの法則とスターリングエンジン、コケ類の植物とボトリオコッカス、気圧配置とPM2.5などたくさんあります。受験勉強の関係上、高校以降、理科は実験ではなく、机上の理論中心となると思います。理論物理学などの実態を理論で解明していく学問を除けば、理科は実態がわからないとやはり役に立たないものです。

社会

江戸時代以前の詳細な歴史描写

アウトスラロピテクスや明智光秀を理解することよりも、アサド政権やアジアインフラ投資銀行を理解したほうが生きていくためには役にたちます。歴史から学ぶべきことは多いのですが、大塩平八郎の乱や源平の戦いよりも、今知っておくべき戦いはもっと多いです。筆者は社会の歴史は現代史から遡って教えるべきだと思っています。

更新されない世界の情報

例えば、ケニアはモバイルバンキングの先進国です。今までは、アメリカ、ヨーロッパ、東アジアの3地域から世界をリードするものが生まれてきました。今は世界のどの地域からでも、最先端の技術や社会が生まれてきてもおかしくありません。少なくともインターネット上はグローバル化が進んでいます。いつまでも学校で習ったことを正しいとするのではなく、知識を更新していかなくては、情報は役に立たないものになります。

まとめ

筆者の主観ですが、学校で習った5教科のうち、社会に出て1番役に立っていない教科は英語で、2番目は国語です。この2教科は社会人になって随分とやり直しました。学校教育が未来に向けてではなく、過去のお作法を踏襲しているだけのようにも感じます。先生の中には、モンスターペイレントなどの対応に追われ、教える準備もままならない方もいらっしゃるかと思います。結局は、社会や学校に期待をせず、自分自身で学びたいものを、自分で調べて学んでいくことがベストです。

先生の顔色ではなく、未来の自分を見つめる。
ABOUT ME
コンサル白書
現役の経営コンサルタント(中小企業診断士)として2010年に独立しました。診断士試験は、独学でE判定から1週間で合格しました。
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