経営計画の立て方

はじめに

経営計画は、長期計画、中期計画、短期計画を立てます。また、各計画は戦略的要素と戦術的要素を意識して立てます。計画に際して、計画のグレシャムの法則や製品ライフサイクル、経験曲線等も配慮する必要があります。ここでは経営計画の立て方についてお話します。

長期は5年、中期は3年、短期は1年

経営計画は基本的に長期、中期、短期に分けて立てます。ただ、昨今のビジネスの速度を考慮しますと、長期経営計画はあまり役立ちません。5年先は世の中が変わってしまうものです。なので、基本的には中期経営計画をブラッシュアップしていくほうが現実的ではあります。とは言いましても長期のビジョンを持つことは重要です。試験では経営計画は長期、中期、短期で立てると考え、実務では中期経営計画を基準に、企業の実態に合わせて長期、短期を埋めていくと考えるべきでしょう。

戦略と戦術

コンサル白書をご覧のあなたのような素敵な方は、戦略と戦術の違いはご理解されていらっしゃると思います。つまりは、WhatとHowということです。そして、実務で大変なのはHowのほうです。Whatに関しては、コンサルでなくとも企業に答えは落ちています。しかし、Howは相手が知らない戦法が答えだったりするわけです。コンサルタントの付加価値はずばりココです。世の中には、計画なんて誰でも立てられると思う方もきっといると思います。確かにWhatの計画はある程度のレベルがあれば専門家でなくとも立てられます。しかし、Howまで洗練された計画は専門家の力なくてはかけません。経営コンサルタント、あるいは中小企業診断士の腕の見せ所です。

経営計画で理解しておくべき特性

計画のグレシャムの法則

グレシャムの法則は「悪貨が良貨を駆逐する」と呼ばれるものです。これを計画に適応したものが「計画のグレシャムの法則」と呼ばれるものです。つまり、経営者が雑務に追われ、大切なことを考える時間が失われるということです。コンサルタントに救いの手が伸びる理由の一つです。期待に応えるには2つの方法があります。1つは雑務を肩代わりすること、もう一つは大切なことを代わりに考えることです。ビジネスとしてコンサルティングをする場合は両方とも重要です。

製品のライフサイクル

製品にはライフサイクルがあります。未来永劫、売れ続けることが保証されているものはありません。例え、老舗450年の歴史を持つ伝統のお薬だとしても、これから450年先も売れ続けるお薬である証明はできません。製品・サービスには必ずライフサイクルがあるということを考えておく必要があります。

経験効果・経験曲線

物事を学習して得意になると生産効率が上がります。これを経験効果と呼び、グラフ化したものを経験曲線と言います。経営計画では採用計画で関わってきます。累積生産量が2倍になると20〜30%程度効率が上がると言われています。

規模の経済

事業が拡大して、大量受注によって仕入れ値を落としたり、生産ラインを整えて大量生産が可能になると、単位あたりの利益が大きくなります。オートメーション化されたビール工場を考えるとわかりやすいかもしれません。経営計画の実務ではさほど出てこない概念です。(試験では経験効果との比較で問われる可能性があります。)経営計画では出てこないのですが、財務分析で貢献利益(商品や事業単位の個別の利益)を計算して、設備の投資効果を分析する際には知っておいたほうがいいかもしれません。

コンティンジェンシープラン

望まない事態が発生した際にどのように事を進めるかをあらかじめ定めておくものです。予備的プランです。尚、コンティンジェンシープランは和訳すると「不測事態対応計画」です。ただ、原意をとると「本社に役員を集めて対応策を考える」といった計画しか立てられません。なので、実務では、おそらくあまり起こらないと思われる事態に備える計画と解釈されることが多いです。例えば、チャイナリスクで中国の部品工場が停止に追い込まれた場合にどのように生産ラインを復活するか、採用活動で人数が確保できなかった場合どのように人員配置するかなどです。

ローリングプラン

定期的に修正していく計画がローリングプランです。コンティンジェンシープランはイベントが起こった時に発動する計画ですが、ローリングプランは定期的に発動します。

まとめ

経営計画は長期、中期、短期で考えることが基本です。実務では中期経営計画を中心に、戦略と戦術を考えます。計画にあたり、製品・サービスなどの特性を考慮する必要があります。絵に描いた餅にならないように現実的な計画を描くことがポイントです。

絵画ではなく設計図