はじめに
経営戦略は、環境分析、ドメインの設定、PPM、成長戦略、競争戦略、シナジー効果を考慮して立てます。また、実際にはこれらをアレンジします。ここでは経営戦略の立て方についてお話します。
環境分析
環境分析は外部環境分析と内部環境分析があります。外部環境分析は、政治、経済、技術、社会動向などのマクロ的なものと、取引先、競合、銀行などのミクロ的なものがあります。内部環境分析は、経営資源である、ヒト・モノ・カネ・情報を中心に分析をします。環境分析は、SWOT分析やクロス分析という形で表にまとめます。
ドメインの設定
環境分析のあと、自社の縄張りであるドメインを設定します。ドメインとは「誰に、何を、どのように」提供するかの定義です。事業を複数持つ企業であれば、事業単位で定義します。
PPM
PPMとはプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略です。アメリカのボストンコンサルティンググループが開発しました。
PPMに企業の事業をあてはめて、現在どのような状況であるかを考えます。市場成長率や、相対的市場占有率は企業の実態にあった指標をあてはめて考えます。
成長戦略
成長戦略は、製品と市場をそれぞれ現状と新規に分け、どのように進めるかを考えます。
競争戦略
競争戦略は、同じマーケットの競合とどう縄張り争いをするかの進め方を考えます。代表的な戦略の考え方は、ポーターの競争優位論と、コトラーの競争地位別戦略です。
ポーターの競争優位論
コトラーの競争地位別戦略
シナジー効果
戦略を進めた中で、販売面、仕入面、生産面、投資面、経営管理面などでどのような副次的な効果が生まれるかをシナジー効果として考えます。例えば、事業統合によって設備を共有化できるなどです。
アレンジ
業界や企業の現状にもよるのですが、コトラーやポーターなどの古典理論をそのまま利用する機会は減ってきています。なぜなら、ITを利用してビジネスの可能性が広がっているからです。小資本でビッグビジネスを起こしたり、言葉すら通じない顧客を開拓したり、利幅の薄いロングテールビジネスを圧倒的に集め収益にするなどの動きです。これからはビッグデータを用いたアルゴリズムを使いこなす企業が勝つ時代になると筆者は考えています。
まとめ
経営戦略はここまで書いてきた項目をそれぞれ練りこんで考えれば形になります。また、試験でポーターやコトラーは役に立つかもしれませんが、現場ではポーターやコトラーよりも時代の潮流にのった肌感覚のほうが役に立ちます。